じっくり読むべきお金と人生の名著『私の財産告白』本多静六 前編

 著者の本多静六さんは、1866年江戸時代と明治時代のちょうど境頃に生まれ、大学等で教鞭をふるい、1952年、昭和時代に亡くなった、林学者、造園家、株式投資家で、財産家でもあります。この『私の財産告白』も、何十年も前に書かれた本ですが、今も読まれ、お金との付き合い方、活かし方など、財産を増やした筆者の体験を踏まえた、自己啓発書となっています。

 今回は、本の内容の中では、前半と後半に分けて、印象に残ったことをいくつか取り上げながら、その感想を書きたいと思います。

 前半で重要なこと。

◎給料の1/4を天引き貯金し、ある程度たまったら、他の有利な事業に投資する。

 :バビロンの大富豪でも、収入の1/10を貯蓄せよとあります。私は、毎月●●万円と数字で決めるのではなく、割合で貯蓄額を決めるのは、継続のコツだと思います。収入が少ない場合でも無理なく貯金ができるので。

◎人は一度貧困を体験した方が良い。

 :人に頼らずに自分のお金の稼ぎ方と使い方を考え、人生の意義や価値を考えるためにも、お金と自分の人生について真剣に考えるポイントが早めにあると良いと思います。また、筆者は、「三カク」に陥るなと述べており、「義理を欠き・人情を欠き、したがって恥を欠く」ようでは、上に上がれないとしています。逆に全てがプラスに動く感覚が大切なのだと言います。

◎お金を増やすための雪だるまの芯を作ろう、そして本業の他にアルバイト(副業)をして

 :お金は雪だるまの様に芯をまず芯を作って、そこから転がしながら大きくしていこうというのが、筆者の主張する方法です。雪だるまを大きくしていくのに、最初とても慎重にならなければならない所、大きくしすぎるのは難しいという点で妙を得ています。

◎二杯の天丼はうまく食えぬ

 :筆者は、貧乏だったころに一杯の天丼に感動をして、お金持ちになった暁には、2杯の天丼を食べる、と誓ったのだそうですが、天丼を2杯食べられるようになった時、1杯を食べた時の2倍の効用は得られなかったと言います。使えるお金が2倍になったら、満足度も2倍になるかというとそうでない、という筆者の体験談が示唆的です。

 

◎常に社会情勢を見守れ

 :地味だけれど、とても大切な教訓だったと思ったのが、これです。ここで言う社会情勢とは、その時の法律、税制、事業法制、労働法などのことです。こういった、国の法律の改変は、知っていると知らないとでは、資産形成に大きく差が出てきます。現在の例としては、つみたてNISA、NISA、iDeCo奨学金、教育奨学金傷病手当金、出産一時金の制度などです。こういった、制度は刻々と変化をしていくので、常にアンテナをはっておき、上手く活用していきたいものです。

 

その他にも、お金にまつわる色々な知恵が書かれているので、是非読んでみてください。